COOKERS blog

料理やご飯にまつわる日常をつらつらと。

カレー講師が鉄腕DASH!!カレー再現してみた ルー編

こんにちは。COOKERSの近藤です。こないだはケータリングの話書きましたが、そちらの仕事の傍に料理教室講師もやってたりします。なので、今日は先生っぽい丁寧な解説をしてみたいと思います(笑)

 

さて、昨日のザ!鉄腕!DASH!!TOKIOが作った「俺たちのDASHカレー」。みなさん、放送見ましたか?長瀬くんがなかなかに苦労されて完成させたレシピなので楽しそうです。

www.ntv.co.jp

 

今週末の放送ではブルーチーズとキムチを使って仕上げるとのこと。日曜日の鉄腕ダッシュに合わせてチャレンジする方も多いかなと思いますので、解説しながら再現していきましょう。

 

相当記事ボリュームが多いので、前編<ルー編>と後編<カレー作り編>に分けました。市販ルーで作られる人は後編から見てください。

 ・後編はこちら

cookers.hatenadiary.jp

 

○所要時間(ルー作りまで)

写真撮りつつ作ったらルー作りの工程だけで3時間くらいかかりました。自分はカレー作りは相当に慣れてる部類だと思いますが、結構時間がかかったので挑戦する方はゆとりを持って取り掛かった方が良さそうです。

○材料準備

www.ntv.co.jp

分量は本家サイトを参照ください。おそらくカレーマニアでもない限りはスパイス類の調達が大変なので、GABANのスパイスカレーセットで揃えるのが一番お手軽かと思います。

 

https://www.amazon.co.jp/GABAN-ギャバン-手作りのカレー粉セット-100g/dp/B005PTT9M6

 

・カレー粉の材料一覧

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ターメリック… 小さじ3
・クミン… 小さじ2
コリアンダー… 小さじ1/2
・トウガラシ… 小さじ1/2
・カルダモン… 小さじ1/2強
クローブ… 小さじ1/4強
・シナモン… 小さじ1/2強
・ブラックペッパー… 小さじ1/2 ・ナツメグ… 小さじ1/4
・陳皮… 小さじ1/2強
フェンネル… 小さじ1/2
・フェネグリーク… 小さじ1/2
・ディル… 小さじ1/2
・ガーリック… 少々(耳かき1杯)
・ジンジャー… 小さじ1/8

 

 
比較的カレーによく使われるオーソドックスなスパイスが多い印象です。あまり普段使わないスパイスは、基本的にホールで持っておき、使う時にミルで挽いて使っています。こうすると、香りの劣化が最小限に抑えられるので、比較的長期間保存に耐えられます。

 

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 スパイス挽きですが、僕はクイジナート社製の電動スパイスミル使ってます。コーヒーミルを1台スパイス用に買っても良いと思いますし、本気でやる人はインドのグラインダーを買っても良いと思います。

で、これを使って全部挽くとこんな感じ。

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挽いたスパイス一覧。唐辛子とフェンネル、挽く前の写真に入れ忘れたのでこそっと足しました。

 

・ルーの材料一覧 

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・冷凍玉ねぎ(皮なし)… 150g(1個半分)
・冷凍トマト(皮なし)… 250g(2個分)
・すりおろしニンニク… 15g
・すりおろしショウガ… 15g
・すりおろしリンゴ…50g
・ハチミツ…25g
・塩…5g ・固形ブイヨン…15g
 (適量の水で溶く)
・[材料A]のカレー粉
ローリエ…1枚
・ラード…30g
・バター…30g
・小麦粉…30g

 

こちらは大体スーパーで買える食材だと思います。

 

一点、ブイヨンはマギーの無添加ビーフブイヨンを準備しました。

 

が、せっかくの手作りルーにこのタイミングでブイヨンを入れるのが猛烈に嫌だったので、入れるのをやめました。(最終的にカレーにしたタイミングで旨味がどうしても足りなければ、その時に足せばいいのです) 

○作業手順

1.トマトと玉ねぎの皮をむき、凍らせる<前日の晩〜>

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トマトは湯むきして皮を剥きます。最初にヘタをとり十字に切り込みを入れると簡単にきれいに剥けます。

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玉ねぎは皮を剥きヘタを抜きます。 両方できたら冷凍庫で冷凍。

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トマトと玉ねぎの冷凍。時間足りなかったので半冷凍くらいです。

放送によると「冷凍すると舌触りが滑らかになる。」とのことですが、時間無い場合はそのまま摺り下ろしでも良いかなと思います。(おそらくそんなに変わらない)

2.カレー粉のスパイスを全て合わせて1〜2分炒める

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小さめのフライパンで乾煎りする要領でスパイスを炒めます。焦がしたらアウトなので、中弱火くらいで丁寧にやってあげると良いでしょう。

 

スパイスの香りがグッとまとまって上がってきたらOKです。

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カレー粉完成。スパイスの香りが良いです。

3.いろいろなものを擦り下ろす

ここから食材を色々とおろしていきます。

・冷凍した玉ねぎ

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冷凍玉ねぎすり下ろし。冷たくて手がかじかむ。

 

・冷凍したトマト

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冷凍トマト。玉ねぎで学習したので手袋することにした。


・ ニンニク、生姜

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ニンニク、生姜。同タイミングで使うので混ぜてしまってOKです。

・りんご

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りんご。皮をむいて、芯を抜いてすり下ろし。

 

といった諸々をすり下ろします。結構めんどくさくて、ミキサーに頼りたくなりますが、摺り下ろしとミキサーは食感が変わる可能性があるので、ここはグッと堪えて摺り下ろしにしました。(炒める工程が入るので、ミキサーでも良いかもしれません。)

 

 

4.おろしニンニク、おろし生姜をフライパンで火を入れてペーストにする

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ニンニク、生姜を炒める。

フライパンにニンニクと生姜を入れて、水分を飛ばして詰めてペーストにしていきます。

 

2分半とのことですが、この油なしで詰めていく作業はかなり焦げやすいです。中火くらいで水分を飛ばしていき、フライパンの底に貼りつくようになったらストップで良いと思います。

 

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ニンニクと生姜のペースト。青くなるのはアリインがアルキルサルファイド化合物になったから。


加熱によりニンニクが酸化して青色になりますが気にしなくてOKです。

 

 

5.玉ねぎ、トマトをフライパンで詰めてペーストにする(難所)

 

ここが今回の一番の難所でした。

先程のニンニク、生姜と同じように「油なし」で玉ねぎ、トマトを詰めるのは至難の技。カレー作りにおいて、一番大事なのは玉ねぎにメイラード反応(飴色)つけることなのですが、油なしだときれいに色付けるのが難しいんですね。

 

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最初は、こんな感じで玉ねぎを詰めていきましたが、

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玉ねぎ炒め。フライパンにこびり付き始める。

このくらいから徐々に怪しくなって、フライパンにこびりつき、焦げそうになってきました。まだまだ詰めないと美味しくならないので、仕方なくトマトも入れて詰めることにしました。(放送では、別々に詰めて合わせてる)

 

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トマト投入!

トマトの水分で、また焦げからは解放され詰め進めていきます。

 

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トマトと玉ねぎ。まだまだ炒めたい!

しかし、やはり後半になってくるとこびりついてきます。微妙に焦げ臭が上がってきたので、一度火を止めました。しかしまだトマトの酸味も強く、玉ねぎの飴色も足りないのでもっと加熱したい!

 

ということで、後工程で加えるラードを先に炒め油として入れることにしました。(後半の小麦粉を炒める油はレシピのバターだけで十分問題ない油量です)

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焦げ付きには、ラードを入れればきっと解決。

ラードを加えた結果、周りのこびりつきはきれいに取れました。これで、しっかりと炒め進めることができそうです。

 

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玉ねぎ&トマトの炒め完成。このくらいの色を目指したい。

 

ここまで炒まった段階で、味見。トマトの強い酸味が和らぎ、玉ねぎの香ばしさもしっかりと感じられるようになりました。最初からラードで炒め始めても良さそうです。ニンニク生姜を詰める際もラードの一部を入れて炒めるのもありだと思います。

 

6.炒めたトマト&玉ねぎペーストに、4のニンニク生姜ペースト、すり下ろしりんご、蜂蜜、ローリエを入れてよく混ぜる

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放送では特に言及されてませんでしが、全て入れた後、りんごに火入れをするため中弱火で3〜4分しばらく炒めました。 

 

またレシピにあったブイヨンは入れませんでした。ここまでフレッシュな材料とスパイスを揃えて丁寧に作ったのに、もったいない!ここで既製品のブイヨンを入れてしまうと風味がそれに持っていかれてしまうんですね。

 

あと、ローリエもここで入れるのが不思議ですね。丈夫なローリエだったので割れませんでしたが、パキッと割れそうで炒めにくかったです。香りを出すのであれば、カレー作りの煮込みタイミングで入れるので良かったように思います。

 

7.自家製カレー粉を入れて混ぜる

自家製のカレー粉を入れて炒めます。火はここでも弱火。パウダースパイスが焦げるからです。2の工程で火を入れてスパイスの香りは起こしていますが、ここでも馴染ませながら加熱しスパイスの香りを立てていきます。

 

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スパイスを入れた後も炒める。粉粉しなくなればOK

しっかりと粉っぽさが無くなるまで混ぜていきます。

  

8.フライパンにバターと小麦粉を入れて、ミルクティ色まで炒める(ブラウンルー)

 

最後はブラウンルー。こんな感じでフライパンに小麦粉とバターを入れて、中弱火で加熱

 

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バターが溶け馴染んでくると、だんだんとふつふつとしてきます。ホワイトソースを作るときは、ここに牛乳を足していきますが、今回はブラウンルー。小麦粉を色付け香ばしさを加えます。とは、やりすぎると苦くなり焦げ臭くなるので注意。

 

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薄ら茶色のブラウンルー。もう少し香ばしくしても良いけど、やりすぎ厳禁。



このくらいまで色付けましょう。

9.ブラウンルーをカレールー に加えて混ぜる

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ルー完成。艶々していていい香りです。美味しそう!

最後に混ぜて、また中弱火でしばらく馴染むまで加熱したら完成。型に入れて冷凍します。

 

カレールー 完成!! 

 

○味見

出来上がったカレールーを早速味見してみました。

 

蜂蜜が効いていて、かなり甘めですがチリもきっちりと仕事してるので辛さも結構ガツッときます。実際にカレーにするとどんなカレーになるのか、まだこの段階では未知数です。玉ねぎ、トマトの旨味もきちんと引き出されているのでブイヨンは入れなくても問題なさそうです。

 

○似た味の既製品

そこそこ手間がかかるのと、スパイス揃えるの大変だと思うので、既製品で代用する場合ですが・・・

 

・カレーの壺 マイルド

www.p-alt.co.jp

・印度の味 ノーマル

www.indonoaji.com

 

この辺りの瓶入りのカレールーを使うと結構味が近くなると思います。どっちも小麦粉使わないインド式のルーなのでさらに近づけたい場合は「ブラウンルー」を加えても良いかもしれません。 

○保存について

全て火を入れた野菜なので、冷蔵庫でも1週間くらいは大丈夫だと思います。それ以上に保存したい場合は冷凍庫に入れると良いでしょう。

ただ、カレーのスパイスは冷蔵庫に入れていても、香りはどんどんと抜けていきます。1ヶ月くらいを目安に使うのが良さそうです。ルーの状態でしばらく保存する場合は、カレーにした後仕上げにガラムマサラなど香りのスパイス少し足してあげると香りが復活して良いと思います。

 

それでは、後編に続く!!

 

 

cookers.hatenadiary.jp

【最後に宣伝です〜】

こんな感じで、レシピを分解してロジカルに料理を考える料理教室の講師をやってます。オーソドックスなインドカレーの作り方とかを丁寧に教えてるので、ご興味ある方はどうぞ。

 

 

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