COOKERS blog

料理やご飯にまつわる日常をつらつらと。

料理家のクックパッドの使い方

こんにちは。COOKERSの近藤です。今日はクックパッドのお話。
 
 

biz-journal.jp


 
レシピ界の王者、クックパッドが連結赤字になったとのことで、料理レシピ業界にある種の激震が走っている。まぁ、以前から評判は相当悪かったので、致し方ないかなとは思う。
 
 
 
ただ自分は結構な頻度で使っている。もう数年後には無くなってしまうサービスかもしれないが、料理家のクックパッド使いを紹介してみたい。
 
 
 
まず大前提としてクックパッドのレシピの8割は、そのまま作っても不味い。普通の家庭で晩ご飯のレシピ探すなら、他の人もあげてる「きょうの料理」とか探す方が間違いなく美味しいものが簡単に作れるだろうし、和食なら冨田さんところの「白ごはん.com」とか便利よね。
 
 
 
 
じゃあ、クックパッドでは何を探すのか。それは「レシピのパーツの原石」を探すのだ。誰かが作った完成されたレシピではなく、他人の怪しげなレシピを見てそこから情報をもらう。さながらGEEK秋葉原のジャンクショップで自作PCやガジェットに使えるパーツを探すように…
 
 
 
それには、当然「レシピが読める」ことが最低限求められる。レシピをパッとみて、全体の分量に対して入ってる塩分量が変だなとか、材料の下処理を間違えてるなとか、必要な調味料入ってないなとか、そういう知見が無ければ「使える情報」部分を拾うことができない。説明文の「最高に美味しい〜〜!!」とか「プロから習いました」なんて惹句は全く参考にならない。
 
 
 
と言うわけで、こんな前提を踏まえた上で、クックパッドで探すべきレシピジャンルを紹介してみる。
 
 
 

日本に入ってきていない海外料理


 
海外の料理の多くは日本に入ってくるようになったが、現地で食べられてる家庭料理はやはり中々情報が入ってこない。海外旅行した時に食べた「感動的に美味しいアレ」を再現したくても、ヒントを探すのも難しい。
 
 
そういう時にクックパッド。在外の日本人が現地の友達から聞いたレシピなどをアップしてくれていることがある。当然レシピの完成度は期待しないが、メニュー名や入れてる食材、調味料の名前がわかるだけでも大変な進歩だ。そのワードを頼りに現地のレシピのGoogle翻訳で探すとっかかりにできる。
 
 

有名チェーン店の再現料理


 
某チェーン店のドレッシングやソースの再現レシピを探す場合もクックパッドが早い。お店でバイトしてた人間がクックパッドに結構レシピをリークしている。これも、もちろん「自分で似た感じ再現してみました!」みたいな謎レシピも混じるので注意は必要だが、味開発の初手の参考にはなる。
 
 
 

何となく思いついた新しい料理法


 
料理をしているとふっと新しい調理法を思いつくことがある。例えば「野菜を塩で茹でる代わりに醤油で茹でたらどうだろう」みたいなことを考えた時、真っ先にクックパッドを検索すると誰かしらやってることがある。写真やコメントを見るだけでも、自分でやるべき実験かどうか判断する材料になる。
 
 
 

ありえない組み合わせの料理


 
これも何か新しいものを作る時に使う。「ナスが安いから、ナスでスイーツつくれないかな?」みたいな時にとりあえずクックパッドを見る。ババロア、ゼリー、焼き菓子などなど、色々チャレンジしてる人のレシピを見て、果物の○○と似たような使い方だなーとか独特の香りけしにはコレ使ってるんだなあとかざっくり掴むのに使える。
 
 
 

謎食材の下処理


 
魚屋や八百屋で謎な食材を入手した時の下処理もクックパッドを参考にする。日本の食材であれば、どっかの地域の特産品だったりするので、その地方の人が下処理方法をアップしてくれているので参考にする。
 
 
 
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他にも、こんな使い方便利というのがあったら、教えてもらえたら嬉しいです。
それでは、また。

カレー講師が鉄腕DASH!!カレー再現してみた カレー作り編

こんにちは。COOKERSの近藤です。

前編のルー編に続いて、後半はカレー作りを仕上げていきましょう。気づいたら、日が暮れてしまったので写真のライティング変わってますがお気になさらずにw

 

・前半はこちら

cookers.hatenadiary.jp

・本家サイトはこちら

www.ntv.co.jp

 

○所要時間

ルー作りと違い、こちらは意外とすんなりと作れました。実質1時間くらいでしょうか。週末ルーから作り始めるのであれば、「午前中に買い出し」→「夕方までにルー完成」→「夕方からカレー作り」で鉄腕DASH!!には間に合うと思います。

 

○材料準備

後半も材料の解説をやります。

 

・カレーの材料一覧

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【材料A】
・カレールー… 170g
・玉ねぎ… 300g 1個半分
 (薄切り150g/くし形切り150g)
・ニンジン… 80g(半個分) ・ジャガイモ(男爵)… 170g(1個半分)
・豚バラ肉(ブロック)… 150g
・豚肩ロース肉(ブロック)… 150g
・すりおろしニンニク… 13g ・水… 800ml
・塩、こしょう…各少々
・油…180g

【材料B】
・すりおろしニンニク… 6g (小さじ1)
・バター…15g
・塩… 2g(小さじ1/4)
・ビール(苦味強め)… 30cc(大さじ2)
・イチゴ果汁(2~3個分)…25cc
 (大さじ1と小さじ2) ・塩辛の汁…小さじ1と1/2
・キムチ
・ブルーチーズ

 

今回テレビをみた感じでは「野菜クズで出汁をとる」と「豚肉から出た油を使う」というのが特徴的だと思いました。つまり、これらの普通は捨てる部分。それでも良い味が出るようにしたいということなので、野菜と豚の材料はこだわりが必要です。

 

豚肉 → トーキョーX(全く気づかず買いましたが、この肉TOKIOとかかってますねw)

野菜 → 有機栽培の野菜

 

にしました。有機の野菜は味が濃く”野菜出汁”として使うには最適です。

 

○作業手順

1.ニンジンは乱切り、ジャガイモは8等分、玉ねぎ半分は薄切りに、もう半分は櫛切りにする。

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切り物ですね。普通にカットしていきます。カレーで薄切りと言った場合、繊維をたつ方向で切るのが一般的です。こうやって切ると玉ねぎのエキスが溶け出しやすく、早く炒まります。

 

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この時に出た野菜クズを捨てないようにしてください。これで出汁をとっていきます。カレールー作りを同日にやっているようなら、そちらの野菜クズも合わせてとっておき使うのも良いでしょう。

 

2.ニンジンの皮・玉ねぎの皮・ジャガイモの皮をダシパックに入れて800mlの水で沸騰してから10分程煮込んでスープストックを作る。その際、ニンジンとジャガイモも一緒に茹でる。

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水の状態から「人参」「じゃがいも」「野菜クズを入れた出汁パック」を煮ていきます。沸騰するまでは中強火、沸騰したら弱火で泡が一つポコポコするくらいの感じで煮ます。

 

レシピが沸騰してから10分ということで、そのまま煮ていたら少しジャガイモが煮崩れてしまいました。様子を見ながら早めにあげた方が良さそうです。

 

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野菜を引き上げると、こんな感じの茶色い汁が取れました。この色はおそらく玉ねぎの皮由来のもの。強い旨味は感じませんが野菜の風味はしっかりと感じます。

 

3.(2)で茹でたニンジンとジャガイモを取り出し、ジャガイモは180gの油で素揚げする。

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ジャガイモを揚げるときは160度くらいで入れて、徐々に180度まであげてカラッと仕上がったらアミバットにとります。ジャガイモは下茹で済みなので、中まで火を入れるというよりは外側を油で固めて煮崩れにくくする目的です。

 

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煮崩れてしまった部分は油で少しリカバリーできそうです。

 

4.(3)のフライパンで櫛切りにした玉ねぎを炒める。

ジャガイモの揚げ油の残りで玉ねぎ(くし切り)を炒める際、フライパンの油をどうするかが分からなかったので、そのまま玉ねぎを素揚げにしました。食感が残るようさっと油通しするイメージで火入れしています。

 

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5.豚肉はバラ肉→肩ロース肉の順に焼く。
バラ肉は中火でじっくり焼き脂を引き出し、その後肩ロース肉を加えて焼く。

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レシピ通り肩ロースは塊に。豚バラはスライスにしました。かなり良い(値段も良い)豚を使ったので、すでに楽しみです!

 

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豚バラは塩胡椒をして、フライパンの冷たいうちに並べ中火でじっくりと脂を出していきます。その脂を使って肩ロースに焼き色をつけます。

 

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こんな感じで焼き色がついたらOK。肩ロースは後で煮ながら火を入れるので中まで火を入れなくて大丈夫です。

6.(5)で引き出した豚肉の脂ですりおろしニンニクと薄切り玉ねぎを炒める。

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食感は先ほどのくし切り玉ねぎで作ったので、こちらの薄切り玉ねぎはくたくたになるまでしっかりと炒めて玉ねぎの香りや旨味を引き出していきます。おろしニンニクを入れるのは玉ねぎが十分に炒め終わった後。先に入れると焦げやすいので注意しましょう。

 

7.火を一旦止め、スープストック・豚肉・ニンジン・ジャガイモ・ローリエを入れ火をつけ、ひと煮立ちさせる。

とのことですが、今回肩ロースを少しレシピより大振りにカットしたので、先にそれを煮ることにしました。

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10分くらいで柔らかく煮上がったので、人参、ローリエを入れました。ジャガイモは煮崩れが怖かったので、最後に合わせることに切り替えました。

 

8.(7)にカレールーを入れ、溶けたら櫛切りした玉ねぎを入れて煮込む。

自家製のカレールーをここでちぎりながら入れます。少し煮ていくといわゆる「ルーで作ったカレー」のようなどろっとした触感に変わってきます。そうしたらくし切り玉ねぎを入れます。

 

9.材料Bのすりおろしニンニク・バター・塩を入れる。

先に、ニンニクとバターを入れて、味を見て塩味を整えます。正直レシピの分量では塩味が全然足りないのでガツガツここで塩を入れて味を決めます。小さじ1〜2は入れたと思います。

 

しかし、旨味がすごく出ていて美味しいです。ブイヨン全く入れる必要ありません。余計なものを入れなかった分、風味もきちんと立っています。

 

10.ビール・いちご果汁・塩辛の汁を入れて混ぜる。

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色々と探し出した秘蔵の隠し味とのこと。入れる前と入れた後で味見しましたが、そんなに劇的に変わるものではないので、無理に入れなくても良いかと思います。この辺りのものは、風味づけの意味合いもあると思うため火を止めてから入れてます。

 

ただ、蜂蜜やリンゴを使ったルーなので甘味が強く、少し食べてるとダレそうな感じはしたのでレモン汁や白ワインビネガーなどで少し甘味を抑える必要はありそうでした。

 

そして、ついに・・・

完成!!

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市販のルーを使ったようにしか見えない「俺たちのDASHカレー」ができました(笑)なんだかんだで1日作業になってしまいましたが、楽しかったです。

 

○実食/感想

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しっかりとした旨味を感じるのですが、後味の抜けが良く、市販品のカレーのようだけど全然違う。感じになりました。フェネグリークやクローブといった苦味の強いスパイスが良い仕事をしているように思えます。

 

鍋の時は少し不安だったシナモンの強い香りも食べる時には全く気にならず、カレー粉として調和の取れた香りになっていました。

 

油で揚げたジャガイモは煮崩れることなく食感を保ち、有機人参の爽やかな甘味がスプーンをすすめます。そして、豚肉は流石のトーキョーX。肩ロースの柔らかさもさることながら、豚バラの旨味が超強い。良い豚を使えたのでブイヨン無しでも十分においしかったです。

 

ここにブルーチーズとキムチを何か変わった方法で加えるとのことなので、今から楽しみです。ルーは冷凍庫に入れたので、日曜日も鉄腕DASH!!に併せてカレー作りたいと思います。

 

少しハードルは高いですが、皆さんもぜひチャレンジしてみてくださいね〜!

 

【最後に宣伝です〜】

こんな感じで、レシピを分解してロジカルに料理を考える料理教室の講師をやってます。オーソドックスなインドカレーの作り方とかを丁寧に教えてるので、ご興味ある方はどうぞ。

 

 

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カレー講師が鉄腕DASH!!カレー再現してみた ルー編

こんにちは。COOKERSの近藤です。こないだはケータリングの話書きましたが、そちらの仕事の傍に料理教室講師もやってたりします。なので、今日は先生っぽい丁寧な解説をしてみたいと思います(笑)

 

さて、昨日のザ!鉄腕!DASH!!TOKIOが作った「俺たちのDASHカレー」。みなさん、放送見ましたか?長瀬くんがなかなかに苦労されて完成させたレシピなので楽しそうです。

www.ntv.co.jp

 

今週末の放送ではブルーチーズとキムチを使って仕上げるとのこと。日曜日の鉄腕ダッシュに合わせてチャレンジする方も多いかなと思いますので、解説しながら再現していきましょう。

 

相当記事ボリュームが多いので、前編<ルー編>と後編<カレー作り編>に分けました。市販ルーで作られる人は後編から見てください。

 ・後編はこちら

cookers.hatenadiary.jp

 

○所要時間(ルー作りまで)

写真撮りつつ作ったらルー作りの工程だけで3時間くらいかかりました。自分はカレー作りは相当に慣れてる部類だと思いますが、結構時間がかかったので挑戦する方はゆとりを持って取り掛かった方が良さそうです。

○材料準備

www.ntv.co.jp

分量は本家サイトを参照ください。おそらくカレーマニアでもない限りはスパイス類の調達が大変なので、GABANのスパイスカレーセットで揃えるのが一番お手軽かと思います。

 

https://www.amazon.co.jp/GABAN-ギャバン-手作りのカレー粉セット-100g/dp/B005PTT9M6

 

・カレー粉の材料一覧

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ターメリック… 小さじ3
・クミン… 小さじ2
コリアンダー… 小さじ1/2
・トウガラシ… 小さじ1/2
・カルダモン… 小さじ1/2強
クローブ… 小さじ1/4強
・シナモン… 小さじ1/2強
・ブラックペッパー… 小さじ1/2 ・ナツメグ… 小さじ1/4
・陳皮… 小さじ1/2強
フェンネル… 小さじ1/2
・フェネグリーク… 小さじ1/2
・ディル… 小さじ1/2
・ガーリック… 少々(耳かき1杯)
・ジンジャー… 小さじ1/8

 

 
比較的カレーによく使われるオーソドックスなスパイスが多い印象です。あまり普段使わないスパイスは、基本的にホールで持っておき、使う時にミルで挽いて使っています。こうすると、香りの劣化が最小限に抑えられるので、比較的長期間保存に耐えられます。

 

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 スパイス挽きですが、僕はクイジナート社製の電動スパイスミル使ってます。コーヒーミルを1台スパイス用に買っても良いと思いますし、本気でやる人はインドのグラインダーを買っても良いと思います。

で、これを使って全部挽くとこんな感じ。

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挽いたスパイス一覧。唐辛子とフェンネル、挽く前の写真に入れ忘れたのでこそっと足しました。

 

・ルーの材料一覧 

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・冷凍玉ねぎ(皮なし)… 150g(1個半分)
・冷凍トマト(皮なし)… 250g(2個分)
・すりおろしニンニク… 15g
・すりおろしショウガ… 15g
・すりおろしリンゴ…50g
・ハチミツ…25g
・塩…5g ・固形ブイヨン…15g
 (適量の水で溶く)
・[材料A]のカレー粉
ローリエ…1枚
・ラード…30g
・バター…30g
・小麦粉…30g

 

こちらは大体スーパーで買える食材だと思います。

 

一点、ブイヨンはマギーの無添加ビーフブイヨンを準備しました。

 

が、せっかくの手作りルーにこのタイミングでブイヨンを入れるのが猛烈に嫌だったので、入れるのをやめました。(最終的にカレーにしたタイミングで旨味がどうしても足りなければ、その時に足せばいいのです) 

○作業手順

1.トマトと玉ねぎの皮をむき、凍らせる<前日の晩〜>

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トマトは湯むきして皮を剥きます。最初にヘタをとり十字に切り込みを入れると簡単にきれいに剥けます。

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玉ねぎは皮を剥きヘタを抜きます。 両方できたら冷凍庫で冷凍。

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トマトと玉ねぎの冷凍。時間足りなかったので半冷凍くらいです。

放送によると「冷凍すると舌触りが滑らかになる。」とのことですが、時間無い場合はそのまま摺り下ろしでも良いかなと思います。(おそらくそんなに変わらない)

2.カレー粉のスパイスを全て合わせて1〜2分炒める

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小さめのフライパンで乾煎りする要領でスパイスを炒めます。焦がしたらアウトなので、中弱火くらいで丁寧にやってあげると良いでしょう。

 

スパイスの香りがグッとまとまって上がってきたらOKです。

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カレー粉完成。スパイスの香りが良いです。

3.いろいろなものを擦り下ろす

ここから食材を色々とおろしていきます。

・冷凍した玉ねぎ

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冷凍玉ねぎすり下ろし。冷たくて手がかじかむ。

 

・冷凍したトマト

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冷凍トマト。玉ねぎで学習したので手袋することにした。


・ ニンニク、生姜

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ニンニク、生姜。同タイミングで使うので混ぜてしまってOKです。

・りんご

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りんご。皮をむいて、芯を抜いてすり下ろし。

 

といった諸々をすり下ろします。結構めんどくさくて、ミキサーに頼りたくなりますが、摺り下ろしとミキサーは食感が変わる可能性があるので、ここはグッと堪えて摺り下ろしにしました。(炒める工程が入るので、ミキサーでも良いかもしれません。)

 

 

4.おろしニンニク、おろし生姜をフライパンで火を入れてペーストにする

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ニンニク、生姜を炒める。

フライパンにニンニクと生姜を入れて、水分を飛ばして詰めてペーストにしていきます。

 

2分半とのことですが、この油なしで詰めていく作業はかなり焦げやすいです。中火くらいで水分を飛ばしていき、フライパンの底に貼りつくようになったらストップで良いと思います。

 

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ニンニクと生姜のペースト。青くなるのはアリインがアルキルサルファイド化合物になったから。


加熱によりニンニクが酸化して青色になりますが気にしなくてOKです。

 

 

5.玉ねぎ、トマトをフライパンで詰めてペーストにする(難所)

 

ここが今回の一番の難所でした。

先程のニンニク、生姜と同じように「油なし」で玉ねぎ、トマトを詰めるのは至難の技。カレー作りにおいて、一番大事なのは玉ねぎにメイラード反応(飴色)つけることなのですが、油なしだときれいに色付けるのが難しいんですね。

 

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最初は、こんな感じで玉ねぎを詰めていきましたが、

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玉ねぎ炒め。フライパンにこびり付き始める。

このくらいから徐々に怪しくなって、フライパンにこびりつき、焦げそうになってきました。まだまだ詰めないと美味しくならないので、仕方なくトマトも入れて詰めることにしました。(放送では、別々に詰めて合わせてる)

 

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トマト投入!

トマトの水分で、また焦げからは解放され詰め進めていきます。

 

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トマトと玉ねぎ。まだまだ炒めたい!

しかし、やはり後半になってくるとこびりついてきます。微妙に焦げ臭が上がってきたので、一度火を止めました。しかしまだトマトの酸味も強く、玉ねぎの飴色も足りないのでもっと加熱したい!

 

ということで、後工程で加えるラードを先に炒め油として入れることにしました。(後半の小麦粉を炒める油はレシピのバターだけで十分問題ない油量です)

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焦げ付きには、ラードを入れればきっと解決。

ラードを加えた結果、周りのこびりつきはきれいに取れました。これで、しっかりと炒め進めることができそうです。

 

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玉ねぎ&トマトの炒め完成。このくらいの色を目指したい。

 

ここまで炒まった段階で、味見。トマトの強い酸味が和らぎ、玉ねぎの香ばしさもしっかりと感じられるようになりました。最初からラードで炒め始めても良さそうです。ニンニク生姜を詰める際もラードの一部を入れて炒めるのもありだと思います。

 

6.炒めたトマト&玉ねぎペーストに、4のニンニク生姜ペースト、すり下ろしりんご、蜂蜜、ローリエを入れてよく混ぜる

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放送では特に言及されてませんでしが、全て入れた後、りんごに火入れをするため中弱火で3〜4分しばらく炒めました。 

 

またレシピにあったブイヨンは入れませんでした。ここまでフレッシュな材料とスパイスを揃えて丁寧に作ったのに、もったいない!ここで既製品のブイヨンを入れてしまうと風味がそれに持っていかれてしまうんですね。

 

あと、ローリエもここで入れるのが不思議ですね。丈夫なローリエだったので割れませんでしたが、パキッと割れそうで炒めにくかったです。香りを出すのであれば、カレー作りの煮込みタイミングで入れるので良かったように思います。

 

7.自家製カレー粉を入れて混ぜる

自家製のカレー粉を入れて炒めます。火はここでも弱火。パウダースパイスが焦げるからです。2の工程で火を入れてスパイスの香りは起こしていますが、ここでも馴染ませながら加熱しスパイスの香りを立てていきます。

 

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スパイスを入れた後も炒める。粉粉しなくなればOK

しっかりと粉っぽさが無くなるまで混ぜていきます。

  

8.フライパンにバターと小麦粉を入れて、ミルクティ色まで炒める(ブラウンルー)

 

最後はブラウンルー。こんな感じでフライパンに小麦粉とバターを入れて、中弱火で加熱

 

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バターが溶け馴染んでくると、だんだんとふつふつとしてきます。ホワイトソースを作るときは、ここに牛乳を足していきますが、今回はブラウンルー。小麦粉を色付け香ばしさを加えます。とは、やりすぎると苦くなり焦げ臭くなるので注意。

 

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薄ら茶色のブラウンルー。もう少し香ばしくしても良いけど、やりすぎ厳禁。



このくらいまで色付けましょう。

9.ブラウンルーをカレールー に加えて混ぜる

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ルー完成。艶々していていい香りです。美味しそう!

最後に混ぜて、また中弱火でしばらく馴染むまで加熱したら完成。型に入れて冷凍します。

 

カレールー 完成!! 

 

○味見

出来上がったカレールーを早速味見してみました。

 

蜂蜜が効いていて、かなり甘めですがチリもきっちりと仕事してるので辛さも結構ガツッときます。実際にカレーにするとどんなカレーになるのか、まだこの段階では未知数です。玉ねぎ、トマトの旨味もきちんと引き出されているのでブイヨンは入れなくても問題なさそうです。

 

○似た味の既製品

そこそこ手間がかかるのと、スパイス揃えるの大変だと思うので、既製品で代用する場合ですが・・・

 

・カレーの壺 マイルド

www.p-alt.co.jp

・印度の味 ノーマル

www.indonoaji.com

 

この辺りの瓶入りのカレールーを使うと結構味が近くなると思います。どっちも小麦粉使わないインド式のルーなのでさらに近づけたい場合は「ブラウンルー」を加えても良いかもしれません。 

○保存について

全て火を入れた野菜なので、冷蔵庫でも1週間くらいは大丈夫だと思います。それ以上に保存したい場合は冷凍庫に入れると良いでしょう。

ただ、カレーのスパイスは冷蔵庫に入れていても、香りはどんどんと抜けていきます。1ヶ月くらいを目安に使うのが良さそうです。ルーの状態でしばらく保存する場合は、カレーにした後仕上げにガラムマサラなど香りのスパイス少し足してあげると香りが復活して良いと思います。

 

それでは、後編に続く!!

 

 

cookers.hatenadiary.jp

【最後に宣伝です〜】

こんな感じで、レシピを分解してロジカルに料理を考える料理教室の講師をやってます。オーソドックスなインドカレーの作り方とかを丁寧に教えてるので、ご興味ある方はどうぞ。

 

 

chefcreate.jp

人はどれだけ食べるのか。食材の適正量計算

こんにちは、COOKERSの近藤です。

昨日、こんな記事が上がっていました。

togetter.com

 

ケータリングの仕事をしていると、この「食べる量」の物量計算が本当に重要。

少なすぎれば「量が足りなくて物足りなかった」というクレームが来ますし、多すぎても「料理が随分と余ってるから、今回のケータリングは不評だったな。次お願いするのはやめよう」という判断になります。

特に料理が余っている状況は、食べ物を粗末にしてはいけないという文化で育っている日本人は強烈な不快感を感じるようです。(実際、自分自身も料理を残すのが苦痛ですし)

 

そこで正確な食べる量を測定する必要があるのですが、僕はこれを「タンパク質(注)」の量で測っています。

 

総重量やカロリーではなく、肉や魚のタンパク質重量で測る理由は「食べ応え/満足度」と大きく影響するためです。さらに、原価も炭水化物や野菜類などと比較すると高くなるため利益の影響度にも大きく関わってきます。


<追記>

(注)純粋なタンパク質はお肉の中で20%程度の重量ということなので、肉の重さを表すのに「タンパク質」というのは不適当だという指摘をもらいました。指摘くださった方ありがとうございます。

 

ここでは肉だけでなく魚の可食部の重量も計算に入れたかったため「タンパク質」と表記しました。便宜的に「肉・魚の可食部の重量=タンパク質」として読んでください。

 

では、実際にいつも使っている計算式を説明します。

 

200g(基本値)× 人数 × 属性値 × シチュエーション = タンパク質重量

 

1)基本値

基本のタンパク質の総量は200gで計算します。これは、ステーキ屋さんなどでランチで出てくるお肉のグラム数がこのぐらいというのを基準に算出しています。

 

2)人数

人は頭数分掛ければOKです。子供などが含まれる場合は小学生2人=大人1人分で計算、中学生以上は1人前で計算です。

 

3)属性値

食事を食べる量は集団の年齢構成/性別構成で結構大きく変わります。なので、(性別の倍率)と(年齢の倍率)を両方掛け合わせて計算します。

  • 男性中心=1.0倍
  • 男女半々=0.8倍
  • 女性中心=0.6倍

  • 若者中心(10代〜30代前半)=1.3倍
  • 中年中心(30代後半〜50代)=1.0倍
  • 老人中心(60代〜)=0.8倍

4)シチュエーション

ケータリングを始めた最初の頃は、この変数を考えていなかったのですが、実はこれが超重要。男女比率/年齢構成よりもずっと影響度が高い事に気づきました。

  • 社内懇親会/ホームパーティ/BBQ/忘年会など=1.2倍
    基本的にリラックスして親しい仲間たちと食べる会は、食べる量が当然増えます。会話よりも、まずは食事に意識が行くので料理を出していて楽しい現場でもあります。

  • レセプション、社外懇談会など=0.8倍
    勉強会の後などの食事会です。食事よりも会話が中心となるため料理にあまり関心が行きません。一巡で8割くらい無くなるイメージで用意します。

  • 名刺交換、立食、営業目的など=0.5倍
    これが立食の名刺交換会になるとお酒と会話が中心になり、ほぼ料理が食べられません。0.5倍でも場合によっては余るときもあるくらいですが、テーブルの上に料理がすっからかんになると見た目の問題もあるので、最低限は必要です。

それでは実際に計算してみましょう。

 

例1)学生時代の同級生と同窓会バーベキュー。20人で12時くらいから食べ始めて夕方16時ごろまで。30代前半の男性中心。

 

200g ×1.0(男性中心)×1.3(30代)×1.2倍(BBQ)= 312g
312g ×20人=6240g

となります。これを基準に牛肉や鶏肉、豚肉の焼き物や前菜で出すパテなんかのタンパク質分量を合計して6kg弱になるように調整します。6kgなんて、ちょっと多すぎない?と思うかもしれませんが、おそらくこれくらいは十分食べきれるボリュームです。焼きそばなどの炭水化物は最後の調整で用意しておきます(持って帰っても良い)

 

例2)勉強会後の立食パーティ。フィンガーフード中心で希望。食事よりも名刺交換メイン。男女半々80名。40代中心。

 

200g × 0.8(男女半々)× 1.0(40代) × 0.5(立食)= 80g
80g × 80人=6400g

 

人数は先ほどのBBQの例の4倍ですが、同じくらいのタンパク質分量になりました。ここから20g程度のタンパク質を使ったポーションを一人4つ程度食べてもらうイメージで固めます。が、実際はお酒だけで料理に全く手をつけない参加者もいる可能性が高いので、これでも多少は余ると思います。

 

こんな感じで料理のボリュームは、毎回かなり細かく気を使っています。今回ご紹介したのが基本式ですが、実際はこれに加えて食事時間がどれくらいあるのか、お腹の空き具合はどうか、営業なのかエンジニアなのか、などなどいろいろ考慮して決めています。

 

大人数のパーティやBBQだけでなく、デリバリーの発注するときにも役に立つと思いますので、ぜひ活用してみてください。

原価無視!本気で作る男のパエリア

こんにちはCOOKERSの近藤です。

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先日、自由大学のおうちパーティ学の同窓会仲間と「スペイン」というテーマでパーティをしてきました。

freedom-univ.com

で、僕が担当したのがメインディッシュのパエリア。

なかなかに美味しく作れたのでレシピの共有です。

 

本気で作る男のパエリア

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■考え方

とりあえず、パエリアを作るにあたり国内や海外の20レシピほどネットで探してみました。いろいろ読み込んでわかったことがいくつか。

 

  • パエリアは「出汁」を米に吸わせて炊く料理である
  • 魚介のパエリアが一般的(一部、ウサギ肉とかカタツムリとか使うレシピもありますが)
  • 旨味は「魚介出汁」「トマトソース」の混合。要はペスカトーレの米版
  • とにかく、おこげが美味しいらしい

ということのようです。一般的な作り方は、にんにくの香りをだして、魚介炒めて、トマト入れて出汁を移して、水加えて、トマトスープで米を炊いて、魚介戻して飾り付け。みたいな工程がほとんどでした。

 

で、いろいろ考えてみたんですが「すげーーー旨い出汁で炊いたら最高になるんじゃないか?」みたいな発想になりまして、出汁をめちゃくちゃ凝ったパエリアを作ってみました。

 

■レシピ

 

【分量】4人前

お米 2合

 

<トマトソース>

にんにく 2かけ

たまねぎ 1/2個

人参 1/2本

セロリ 1本

ホールトマト缶 1缶

ゆでだこ 300g

塩小さじ1

 

<出汁>

鯛アラ(兜、中骨) 1尾分

ワタリガニ 1杯

有頭エビ(殻と頭) 8尾分

玉ねぎ 1/2個

セロリの葉っぱ 1本分

 

<具材>

鯛の身 3切れ(白身魚ならなんでもよし)

有頭エビ 8尾(出汁用に殻は捨てない)

あさり 300g(ムール貝可)

パプリカ赤 1/2個

パプリカ黄 1/2個

いんげん 5本

ズッキーニ緑 1本

 

 

■作り方

<出汁>

1)鯛のアラを軽く水で洗う。カブトは梨子割りにしておく。

 

2)ワタリガニは足をもいで、腹は二つ割りに。

 

3)有頭海老は頭と殻を外す。剥き身は後で具材で使うので、冷蔵庫にしまっておく

 

4)クッキングシートを敷いた天板に1)〜3)(海老は殻と頭のみ)を並べて、230度のオーブンで15分-30分ほど焼く。

 

5)良い感じの焼き色が付いたらオーブンから取り出す(焦がしたら失敗なので、途中で焦がさないように確認してください!!)

 

6)鍋に焼いた魚介類のアラや殻を入れて水をひたひたまで注ぐ。そこにセロリの葉っぱとタマネギを入れる。

 

7)強火にかけ、鍋が沸いたら、中弱火に火を落としてコトコト2時間煮出す。

(アクは最初の黒い奴がでたらそれのみ取るが、基本的に取らない)水が足りなくなってアラが水につからなくなったら都度都度水を足す。

 

8)出汁をザルで濾す。

 

<トマトソース>

1)ニンニク2個をみじん切り、タマネギ、セロリ、にんじんは5ミリのさいの目に切る。ゆでだこはぶつ切りにする。

 

2)フライパンにニンニクとオリーブオイル大さじ3を入れて、弱火にかけ香りを出す。

 

3)タマネギ、セロリ、にんじん、タコ、塩小さじ1を入れて中火でしっかり炒める。タマネギが薄茶色になるまで炒める。

 

4)強火にしてトマトのホール缶を入れ、つぶしながら煮ていく。15分程度かけて、水分を限界ぎりぎりまで詰める。

 

<炊き込み>

1)魚介で取った出汁をフライパン(あればパエリアパン)に1200CC入れ、中火にかける。

 

2)出汁が沸騰したらトマトソースを入れ、あさりを入れる。口が開いたら取り出す。

 

3)海老の身と鯛の身を入れてさっと火を通し、皿にあげておく。(身が縮むので長時間煮込まない)

 

4)フライパンを強火にかけ沸騰したら、お米をさらさらと2合分お米を入れる。

 

5)強火で6分。弱火で15分加熱する。時々そこにこびりつかないように箸でそこをはがす。(あまりぐちゃぐちゃ混ぜない)

 

6)水分が減ってきたら、味見。塩が足りなければ軽く塩を振る

 

7)具材と野菜を盛りつけ、230度のオーブンで5分焼く。表面の野菜などに軽く焦げ目が付いたら完成。

 

8)ちなみに、お焦げを付けたい場合は、コンロに戻して強火でパチパチという音が聞こえるまで加熱する。

 

 

作業工程の写真一切無いですが、かなり良い感じで作れました。本気のパエリア挑戦したい方はぜひお試しください!

目指せ!燻製マスター 応用編

こんにちは!COOKERSの近藤です。

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前回に続きまして今回も「燻製」をテーマに色々と書いていきたいと思います。今回は、燻製の素材のおすすめと下ごしらえを紹介していきます。皆さんからの意見で「もっと具体的にわかりやすい燻製におすすめの食材教えて」というお話がありましたので、それを中心に書いていきたいと思います。題して、「難易度別燻製素材リスト」ぜひやってみてください!

 

 

<簡単食材>

燻製を初めて行う方におすすめの燻製食材。下ごしらえがほぼ不要です!

 

・プロセスチーズ

スモークチーズは最もメジャーな燻製の一つですが、作り方も簡単。チーズを切って乾燥させて、スモーカーに並べればOKです。30分で綺麗な燻製を作ることができます。

 

・たまご

ゆで卵の燻製も美味しいです。茹でた卵をめんつゆに漬け込んだ味玉にして、それを燻製にかけます。

 

 

・市販のブロックハム、ブロックベーコン

ベーコンを一から作ろと思うと実は結構大変です(上級食材で紹介します)。でも市販品のハムやベーコンを使えば簡単。かるく風乾燥してからスモーカーに入れるだけで、高級なスモークベーコンに早変わりです!

 

 

・魚の干物

ししゃもやアジの干物など、魚の干物の燻製も簡単。すでに干してあるので、軽く風乾燥させるだけですぐに燻製にできます。熱燻でじっくり火を入れても、温燻で煙だけまぶして最後はBBQグリルで仕上げても最高です。

 

・塩鮭

干物に近いですが、鮭の燻製も美味しいです。これも軽く風乾燥させた後、スモーカーに入れれば燻製になります。

 

・ナッツ

ナッツの燻製もおしゃれなバーとかで良く見かけますが、これも簡単です。15分程度燻製したら1晩寝かせれば完成。スモーキーな味わいを楽しめます。

 

・ビーフジャーキー

ウイスキーのお供ビーフジャーキーのスモークもそのまま燻製可能です。噛みしめた時の旨みをスモークのフレーバーがいい塩梅に仕上げてくれます。

 

・ポテトチップス

スナック菓子も燻製すると美味しいです。10分程度の短時間の燻製で十分香りが付きますよ。ビスケットのような甘いお菓子も燻製にすると大人感がアップします。

 

・カレー粉

調味料の燻製も楽しいです。燻製したカレー粉を使って作るカレーはしっかり薫香が効いてきますよ。塩や胡椒、クミンなどのドライスパイスや乾いた調味料はだいたいなんでも燻製できます。

 

・にんにく

にんにくを燻製させて、作った燻製ペペロンチーノも美味しいです。それ以外にもオイルに漬け込むことで燻製ガーリックオイルを作ったりと用途がたくさん。お土産用に燻製にんにくを作ってみるのもオススメです。

 

・明太子

僕が一番好きな燻製のひとつ。明太子の味と燻製は相性がばっちりなんですよね。マヨネーズとまぜて燻製明太子マヨも絶品です。

 

・ツナ缶

ツナ缶を開けて燻製にかけるだけでOK。バゲットに乗せて食べても最高です。水っぽくない油漬の缶詰であれば失敗しないので、オイルサーディンやアンチョビ、スパムなども美味しいです。

 

・ドライフルーツ

ドライフルーツ類も乾物なので燻製が簡単。スモーキーで一気に大人の味に仕上がります。

 

 

 

 

<本気食材>

 

さて、上記の素材が簡単燻製としたら、ここからはガチの燻製です。

 

 

本気とは、ソミュール液に漬け込むことで作る燻製のこと。ソミュール液とは食材に下味をつける塩水のこと。これで漬け込むことで均一な味の燻製が作れます。

 

○簡単ソミュール液の作り方(洋風)

・水1リットル

・塩70g

・砂糖60g

ローリエ2枚

・他ドライハーブ好きなものを適量

 

1)材料を全部鍋に入れ、火にかける

2)沸騰したら火を止めて、完全に冷ましたら完成。

 

 

通常のソミュール液は塩分濃度15%~30%程度で作るのですが漬け込んだ後、塩抜きをしなければしょっぱくて食べられません。昔は食材の日持ちをさせるために、非常に濃い塩水につける必要があったからなんですね。

 

 もちろん、それで作っても良いのですが、その方法だと1週間~2週間。場合によっては1ヶ月以上かかってしまうものもあるので、今回は塩抜きが不要なレシピがこちらです。これに色々な食材を漬け込み、乾燥させてから燻製にしてみましょう。

 

 

○ソミュール液で漬け込むタイプの燻製の作り方

 

1)燻製したい食材をジップロックに入れて3時間~2日程度漬け込む(食材によって漬け込み時間が変わります。大きい食材を小さくすることで漬け込み時間は減らすことが可能です)

 

2)冷蔵庫の中or風干しで3~24時間乾燥させる。

 

3)燻製にかける

 

 

という形で燻製ができます。漬け込み時間、乾燥時間は食材の性質、大きさによって影響を受けます。自家製ベーコンなどもこのタイプの燻製です。では、実際にこのタイプの燻製法に向いてる食材を紹介していきます。

 

 

・ササミ 漬け込み2~3時間、乾燥3時間

ササミの燻製は比較的短時間で作ることが可能です。ソミュール液は上記のものでも良いですし、味玉を作るレシピのように醤油:酒:みりんを1:1:1で一煮立ちさせてアルコールを飛ばしたものでやっても美味しいです。

 

 

・ベーコン 漬け込み12時間、乾燥24時間

ベーコンは作り方が無数にありますが、一番簡単な方法をご紹介します。上記ソミュール液に12時間漬け込んだのち、ぴちっとシートという脱水シートで24時間脱水したものを燻製にしていきます。ぴちっとシートがない場合は、冷蔵庫で2日程度の乾燥で良く仕上がります。

 

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・茹でたこ 漬け込み3時間、乾燥3時間

タコの燻製も美味しいです。ソミュール液の水の分量を減らして白ワインを入れて作るのも良いです。

 

・お刺身 漬け込み2時間、乾燥3時間

お刺身も燻製にできます。水分が多いのでぴちっとシートを使っての脱水がオススメです。水分をしっかり抜くので、表面は刺身というよりは生ハムに近い食感になります。燻製時間は10分~とかなり短い時間、表面にふわっと香りをつけるような仕上がりになります。

 

 

 

他にもいろいろ漬け込みで作ることが可能です。

 

 

<おまけ>燻製しちゃダメ食材

 

・野菜類

野菜は水分が多く脂肪分が少ないので燻製には基本的に向きません。燻製フリークの方々もいろいろ試して結局断念しているケースが多いです。

 

・生の食感を残したい場合

基本的に燻製は「干して、燻製する」という調理になりますので、干した食感が好きではないものは燻製しないほうが良いかもしれません。生の食感のままの燻製(スモークサーモンなど)は大変難易度が高く、仕込みの時間、外気温などいろいろな条件が整わないと作れません。

 

 

さあ、燻製してみたい食材イメージ湧きましたでしょうか。とりあえず、思いついたらインターネットで「食材名 + 燻製」で検索してみると色々と情報が出てくると思います。燻製マニアの方々はだいたい何でも燻製にしてしまっているので(笑)

 

それでは、この夏も楽しい燻製ライフをお過ごし下さい!

目指せ燻製マスター!基本編

こんにちは。COOKERSの近藤です。

 

いきなりイベント告知で、しかもほぼ募集定員が終わってる(残1名だったかな)んですが、毎年「燻製キャンプ」というイベントをやっています。

 

思いつきは数年前、燻製好きのオジさんと飲んでいる時に「山に一人でキャンプして、ただひたすら燻製を作り続ける」という遊びにハマってるというのを聞いたのがきっかけ。ただ燻製するだけにキャンプするとか頭おかしくて楽しそうだなあ。一回はやってみたいなーと思って実現したのがこの企画です。

 

 

というわけで、今回から数回に分けて燻製特集をやりたいと思います。

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基本編1)燻製って何?

 

燻製を食べた事ない人はいないと思いますが、何が燻製か?とかは、考えた事はないですよね。

 

シンプルにいうと「燻製とは煙でいぶした食べ物」です。

 

色々な燻製材があったり、下処理が色々と手間かかったりするイメージがあるかもしれませんが、実は「煙でいぶした食材」は全部燻製です。なので、食材のバリエーションは無限大。卵やチーズじゃなくても、はんぺんやかまぼこ、ポテトチップス、お肉、お魚、バターや醤油、お塩までなんでも燻製にする事ができます。

 

だいたいどんな食材でも燻製になる!と思っておきましょう。

 

 

基本編2)最初にやらかす失敗「燻製が酸っぱい!」

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燻製は色々な食材でもできますし、基本的には煙でいぶすだけなので簡単なのですが、

初めて燻製チャレンジする人がだいたい失敗する「罠」があります。

 

それは、酸っぱ渋くなってしまうということ。

 僕も初めて燻製やった時は、この酸っぱ渋い燻製にしてしまいました。

 

原因は水分。

 

食材の周りの水分と煙が反応して「ホルムアルデヒド」という物質を作り、

それが酸っぱい原因になるそうです。

 

つまり煙でいぶす時、表面の水分は極限まで減らす事が大事になります。

 

  • 食材はバットなどでラップをせずに1~2時間乾かしてから燻製にする
  • お肉やお魚などは脱水したり、風乾燥させてから燻製にする
  • すぐに水分が出てシナシナになる葉物野菜とかは燻製に向かない
  • 冷蔵や冷凍した食材をそのまま燻すと、結露した水滴がでて酸っぱくなるので必ず常温に戻す
  • 水分のどうしても多い食材をする場合は、燻製時間を短くする

 

といったように、とにかく最初は「乾燥」に気を使いまくってください

とりあえず乾燥させる事を意識できれば燻製の失敗の8割は回避できたと言えるでしょう。

 

乾燥工程を失敗をしたくない場合は、干してある食材(ドライフルーツや干物とか)や、そもそも最初から水分のない食材(ポテトチップスとか)で燻製を作ると更に失敗にくいです。

 

 

基本編3)燻製は過ぎたるは及ばざるが如し

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燻製を始めたころに、酸っぱくなってしまうと同じようにやらかしてしまうのは、「燻製しすぎてしまう」こと。

なんども色つかないなー、どうかなーとかやっている間に燻製にかけてすぎてしまって、仕上がりが渋く酸っぱくなってしまう事があります。

 

いくら乾燥に気を使っても、沢山の煙を当て続ければ酸っぱく、渋くなってしまいます。

燻製法や使用するスモーカーとかによって条件が違うため、何分だと正解というのは言いにくいのですが、

 

  • 小さいスモーカーでやる時は煙ががっつり当たるので時間は短く
  • 火力が高い燻製方は煙が沢山出るので短く(熱燻→温燻→冷燻の順に長時間かけても良い)
  • 熱燻でも強火でやると煙が出すぎるので気をつける

 

などなど、煙が当たりすぎるのを注意してください。

 

 

基本編4)燻製はできてから寝かすべし

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出来上がった燻製はすぐに食べたくなるのですが、煙が落ち着いていません。

具体的には失敗した時のような少し酸っぱい渋い味が残っています。

これを1日程度置いてあげるとマイルドになり、燻製独特の風味が楽しめるようになります。

 

水分の多い「お醤油」などを燻製する時は、酸っぱ渋さが強く出てしまいますので、

作ってから1週間くらい置いてからが食べ頃となります。

 

もし、燻製後すぐに食べたい場合は、その味がごまかせるような強い旨味の食材を使いつつ、燻製をかけすぎないように気を使いましょう。

 

 

以上、燻製シリーズ第1弾基本編でした。

まとめると「よく乾かして」「燻製しすぎず」「完成後、寝かせ」ば、美味しい燻製がつくれるんですね。

 

皆さんも、ここを意識してもらえれば、比較的どんな食材でも失敗しません。

ぜひ、色々な食材をチャレンジしてみてください。

次回、応用編は「燻製前の下ごしらえ」を紹介していきたいと思います。