COOKERS blog

料理やご飯にまつわる日常をつらつらと。

思わず食欲が刺激される「シズる」メニュー名の作り方

こんにちは。COOKERSの近藤です。

 

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僕は料理のメニュー名を考えるのがかなり好きです。レストランで働いてる人なら実感あると思いますが、美味しそうなメニュー名とそうじゃないもので相当に売り上げが違うもの。

 

ケータリングでお客さんにメニューを提案するときも、美味しそうなメニュー名を提案できるかどうかで発注が変わったりするので非常に大切だったりします。

 

今回は、そんな思わず食欲を刺激されてしまう(=シズる)メニュー名のつけ方を考えてみました。お仕事で料理をされてない方でも、ホームパーティでおおっ!って言われるメニュー名を考えるヒントになったら幸いです。

※ちなみにシズルとは広告業界ワードでsizzleと書きます。食欲などの感性が思わず刺激されてしまうという意味で使われます。

 

季節感/旬を大事にする

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日本は四季があり”旬”のものが美味しいという価値観が刷り込まれています。季節にかかわるワードは非常に食欲をそそります。実際旬の食材は値段も安くて美味しいですしね。例えば、

みたいな旬の食材名をメニューに取り入れるのも良いです。食材まで言及しなくても「初夏の鮮魚のマリネ」みたいに季節をつけるだけでも結構美味しそうになります。

 

食材の出処を入れる

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トレーサビリティという言葉もありますが、「どこで採れたものか」という情報は安心安全の意味でも、美味しさを伝えるの意味でも効果的です。

  • 小豆島のオリーブ
  • 沖縄豚のミートソース
  • 明石たこのガリシア

こうやってみると、有名なブランド食材はだいたい地名を取ってますね。土地ではなくても「浅田さんの〜」「横田ファームの〜」みたいな生産者の名前を出すメニューも、作った人が自信をもって届けている感じがして、美味しそうに感じますよね。

 

料理の生まれた場所を入れる

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日本人に限らず、その土地に行ったらその土地の名物は食べたくなるもの。食材はその土地にゆかりがなくても、名物として認識されたものは美味しいものと思わずおもってしまう心理があるそうです。

みたいな既にブランド名になっているものは多数あります。ただ、実はこれ名物化されてなくてもOK。

  • 神楽坂カレー
  • ベネチアパエリア
  • 学芸大学おでん

といったように今、僕が適当にかんがえたものでも”おっ”と引っかかりが出るので面白いですよね。

 

オノマトペを活用する

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食感や香り、味に関する擬音語や擬態語も美味しそうな印象をつけます。

  • サクサクポテト
  • とろーりプリン
  • あつあつグラタン

みたいなものは、比較的よく見かけるのではないでしょうか?これも普段聞いてる当たり前のものよりも少し飛ばすとより美味しそう感が増えます。「サクサクポテト」よりも「ザクザクポテト」のほうが、歯ごたえが気持ち良さそうですし「サクふわポテト」にすると、ほっくり感が感じられますよね。

 

自分の作った料理の印象をうまく伝えられるオノマトペを考えると面白いと思います。

 

料理の歴史を語る

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長いこと食べられてきた料理は「美味しさ」の証明でもあります。僕らは老舗の守り続けてきた味とかに弱いんですよね。料理屋さんでも「創業明治○年」とかかいてあるとおおってなりますよね。これをメニューにも応用します。

レストランで見かけたらちょっと興味惹かれませんか?こういう時代を感じながらの料理は、一味美味しく感じるのは不思議ですよね。

 

トーリーを加える

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最後は少し応用編。今までの例のような食材や料理の美味しさをストレートに伝えるのではなく、比喩を使ったメニュー名です。

  • 絶望のスパゲッティ
  • おぼれ蛸のトマト煮
  • 若鶏の悪魔風

といった感じでしょうか。実は上の例は、海外の有名な料理の言い換えなのですが、わかりますか?

 

例えば、絶望のスパゲッティは「家に何もなくて絶望的な状況でも作れるパスタ」=ペペロンチーノですし、おぼれ蛸のトマト煮は、「丸一本の蛸足をトマトソースで煮込むところから溺れているように見える」=蛸のトマト煮ですし、悪魔風は、「丸鷄を開いた形がマントを開いた悪魔に似ていて、それを炎で焼き上げるのが処刑のようだから」=チキンソテーだそうです。

 

こんな風に考えて遊んでみるのも楽しそうです。例えば、

  • 伊賀の兵糧おにぎり=おにぎりで海苔をぐるっと巻いたもの
  • 鹿のデミグラス煮込み冬眠風=ドーム型のオーブン皿とかで煮込んだ鹿シチュー

なんて、今適当にかんがえたヤツですがちょっと面白いですよね。

 

ただし1点注意!

料理名に凝りすぎて「何かわけがわからないもの」は食べたいと思えないみたいです。あと、全メニューをすべて過度にやりすぎると過剰広告のように感じてしまって嘘くさくなり不味そうに感じてしまいます。何事もほどほどが大事ですね。

 

メニュー名、色々と楽しみながら考えてみてください!!

 

 <今日のおすすめ>

ちなみにsizzleワードを集めた本も売ってたりします。年齢や性別別でどの言葉が美味しそうに感じるかを統計データを取ったやつです。仕事でメニュー考えないといけない場合は参考にすると良いと思います。