「食べログ」で探す”外さない”お店の探し方
こんにちは。COOKERSの近藤です。
みなさん美味しいご飯屋さんってどうやってさがしてます?
普通に食べログ使ってる人も多いと思いますし、中には「食べログは当てにならねえよ!」と思っている人も多いと思います。
僕も仕事柄、日々美味しいお店を探し歩いていますが、「食べログ」の情報もそれなりに使っているので、今回は食べログを使った美味しい店の探し方の心得を書いてみたいと思います。
心得その1)「食べログの点数が低い=不味い」ではない。
よく言われてることですが大事なので一番最初に書きます。時々お店の点数を見て「ここ3.1だからやばいかも」と言う人がいますが、点数と美味い不味いはあまり関係ありません。
例えばオープンして1年以内のお店、昔から地元の人に愛されてるお店、アットホーム系で一見さんが入りにくいお店なんかは点数が低くつきやすいです。逆に、いわゆる流行りを抑えているチェーン系のお店や、手頃な値段でそれなりに美味しく回転が速いお店、超一流の高級店などはポイントが高くつきます。
また、分煙がきっちりしていないとか、うるさい客がいたとか、サービスが不快だった、味が自分の好みと合わなかったなど、そういうマイナスレビューが付くと良いお店でも点数がかなり低くなってしまうことも多いです。
とにかく点数の高い低いは「大体の人たちが満足する」くらいに考えておいて、あまり重視はしなくて良いと心がけましょう。
ただ「不味くなく、客単価4000〜5000円くらい」のお店(いわゆるコスパの良いお店)を今すぐ見つけなければならないときには、便利です。とりあえず、客単価4000円くらいの食べログ評価3.5以上のお店を選びましょう。とはいえ店の雰囲気が、そのときの食事会と合うかどうかは定かではありませんので、そこはご注意を。
心得その2)最初の検索は「食べログ」を使わない
例えば、「神田」で美味しい夕ご飯を食べたい時に、いきなり食べログから検索するのはオススメしません。神田近辺で1900軒以上のお店があり、それを食べログの順位で全部探すのは現実的ではありません。
ある程度、名前の通った人気店であれば上位に出てきますが、心得その1で書いたように、点数が低いけど本当に美味しくて居心地の良い店はまず見つけられないでしょう。
そこで、僕がよく使うのは「Retty」と「Googleの検索キーワード」。
Rettyは最近メジャーになりましたが「ポジティブ評価のみのお店レコメンド」CMSです。
「神田 そば」とかでRettyを調べると「神田のオススメ蕎麦屋9選」みたいな形でサジェストしてくれます。書き込みされているコメントがポジティブな評価のみの情報なので、「こういうお店で今日は食事がしたい」という気分にマッチしたお店を探しやすいです。
もう一つは「Googleの検索キーワード」。たとえば、「神田 蕎麦」で検索すると…。
こんな風に、いくつかのお店の名前がレコメンドされてきます。これらのお店はだいたいが有名な老舗だったりすることが多いです。その土地の名物を狙うのであれば、この検索方法もありです。
他にも「東京レストラン」「ELLE GROUMET」とかの雑誌系のサイトで検索したり、「メシコレ」「dressing」などのぐるなび系のオウンドメディアで探したりするのも非常に有効です。マスは信じられないという人もいますが、ちゃんと編集が入ってるメディアは情報の精度がちがいます。
心得その3)「食べログ」はレビューチェックに使う
だいたい行きたいお店のあたりが付いたら、再度「食べログ」を使って、そのお店の評価を見ましょう。重視するのはコメント。最初に書いた様に点数の高い低いはどうでもよいです。
ちなみに4.0以上とか付けてるコメントはお店をべた褒めしてるだけなので、あまり読む必要はありません。むしろ3.0とかの厳しめの点数を付けているコメントに注目しましょう。
「タバコの煙がくさかった」などのコメントがあればタバコの煙が苦手な人と行くお店としては不適当ですし、店員さんの印象が悪かったというコメントが沢山つくようであれば、接客に難があることが多いです。
ただ、お店も忙しかったりすればサービスが手薄になることもありますし、周りのお客さんのうるさい場合はお店側では対処が難しいこともあるので、そこまで気にしなくても良いです。
料理の味に関しても、好き嫌いは個人差が大きく出るため、話半分程度に読んでおけばOK。大切なのは、全体的に同じような点数帯のコメントでも好印象であった人のコメントと、悪印象であった人のコメントを読み比べること。そうすると、お店の得手不得手がなんとなくつかめてくるので(汚いけど美味い、美しいし味もそれなりによかったけどちょっと割高とか、などなど)それを抑えてから決めましょう。
心得その4)メニューはチェックする
コメントのチェックとあわせて、行っておきたいのはメニュー。1皿500円〜くらいなのか、1000円〜くらいなのかで、その日の予算感が変わります。このお店で使った人の平均価格みたいなのが出てますが、お酒を飲む飲まないでだいぶ変わるので、あまり当てにしない方がベターです。
客単価5000円くらいかなーと思って行ったら、一皿1200円〜位のお店で結構痛かったとかを食らいたくないと思いますので、メニューの価格帯を抑えておくことは大事です。余談ですが、料理単価が1000円〜くらいのお店に行くときは一人7000円くらいは覚悟しておいた方が無難です。
心得その5)内観も見ておく
意外と内観写真を見ていない人が多いと思いますが、お店の内観は大事です。\
すごい評価が高かったけど、行ってみたらキタナシュラン系のカウンターしかないお店だったとか、気軽に食べたかったけど静かで格調が高すぎたとか、靴を脱ぐ座敷しか無かったとかは内観を見ておくとある程度避けることができます。
特に、男性よりも女性の方が内観の綺麗汚いに敏感ですので、女性と食事をするのであれば内観写真は必ずチェックしておきましょう。
以上、食べログで探す”外さない”お店の探し方でした。もちろん食べログ以外の情報はかなり重要ですが、食べログも毛嫌いしないで読むのも悪くはありません。ぜひ、いろんな情報網を駆使して美味しいお店探してみてください!
オリーブオイルを使わないバーニャカウダ
こんにちは。COOKERSの近藤です。
昔からうまく作れ無いレシピの一つに「バーニャカウダ」がありました。
いろんな本とかネットのレシピを再現してみるのですが、いまいち美味しくなら無い。
なんというかクリーミーじゃないし、オリーブオイル臭いし・・・。みたいな感じなんですよね。
で、たまたまこないだバーニャカウダの作り方を色々なアプローチで試したら理想的な「バーニャカウダ」ができたのでご紹介してみたいと思います。
<分量>
スペイン産か青森産にんにく 3個
牛乳 250cc
生クリーム 200cc
アンチョビ 8切れ
黒胡椒 適量
<作り方>
1.にんにくの底の固いところを落として皮を剥きます。
これ、にんにくの量が大量なので、皮を剥くのも大変!根気よくやるのが嫌な方は、下を切り落としたあと、レンジOKの容器に入れて、電子レンジで1分くらい温めるとつるってむけます。
こんな感じ。
この方法、にんにくに軽く火が入ってしまうので、生から使いたい時や香りを生かしたい時はお勧めしませんが、バーニャカウダみたいに臭いを除去したい時にはうってつけです。
2.鍋ににんにくを入れて水を張り、茹でこぼしをします。
水から茹でて沸騰したら1分くらい煮て、お湯を捨てます(茹でこぼし)。水から茹でていくことがポイント。にんにくの臭いを除去していきます。
茹であがったらにんにくをザルにあけておきましょう。
3.2の工程をを3〜5回繰り返します。
回数を増やせば増やすほど、にんにくの臭いは無くなっていきます。僕は食べた時に多少にんにくっぽい香りが残ってた方が美味しいと思いますが、どうしてもにんにく臭が嫌だ!という方は、8回くらい茹でこぼしても良いと思います。
4.鍋に牛乳と水を入れて、水分がほぼなくなるまで煮詰めます
茹でこぼしの終わったにんにくを鍋に移し、牛乳と水を1:1で割ったものをヒタヒタになるまで注ぎ、火にかけます。
牛乳は吹きこぼれやすかったり、あんまり強火でガンガンやると底が焦げたりするので、中火くらいが良いと思います。
こんな感じで沸騰したら、だいたい1時間くらい煮ていきます。時々焦げたりしてないか様子を見てあげてください。
水分が飛んでどろっとしてきたらだいたいOKです。一般的なレシピはここで、牛乳は捨ててオリーブオイルを使ってにんにくを乳化させていくのですが、僕のレシピは煮詰まった牛乳もそのまま使います。
5.アンチョビを入れて、ミキサーにかけます。
アンチョビを鍋にいれて、ミキサーでトロトロにします。オリーブオイルは入れません。
こんな感じになったら完成!
6.にんにくソースを生クリームで薄め、温めたら完成!
出来上がったにんにくソースを少量小鍋にとり、生クリームをにんにくソースの同量を入れて、とろっしゃばーくらいの濃度になったらOK。味見をして塩と胡椒で味を整えたら完成です!
オリーブオイルを入れ無いので、オリーブオイル臭さはまったくなく、さらっとしたクリームソースに仕上がります。僕もケータリングの現場でもよく作ってるレシピですので、試してみてください!超美味しいですよー。
料理の味、覚えてますか?
こんにちは。COOKERSの近藤です。
今回は美味しい料理を作るための勉強法について書いてみたいと思います。
いきなりですが、みなさん美味しかった料理の味覚えてますか?吉野家の牛丼の味、マックのチーズバーガーの味、1年前食べたホーチミンの煮魚の味。本当になんでもいいんですけど、「あの時のあれ、美味しかったなあ」って、どれくらい覚えていますか?
ここで、ちょっとゲームをしてみましょう。
Q)次の料理で自分史上もっとも美味しかったのは、ぞれぞれどんな時でしたか?食べた時の状況や味をできるだけ正確に思い出してください。
1.ロールキャベツ
2.トムヤムクン
3.焼肉
4.バーニャカウダ
どうですか?おもいだせましたか??
ちなみに僕は
1.ロールキャベツ
祖母が小学生の作ってくれた、トマトスープベースで煮込んだロールキャベツで肉は柔らかく、具材はベーコンとロールキャベツと玉ねぎ。コンソメキューブか鶏ガラスープかは忘れましたが、結構出汁が効いてたような印象があります。ちょっと甘みが強かったのでトマトケチャップとか多分入れてたんじゃないかなあといまだと思います。
2.トムヤムクン
六本木のタイ料理屋「バンコク」で食べたトムヤムクン。丁寧に澄んだスープで、海老の香りがガツンと効いていた。結構辛く酸味も強いのに、他所のトムヤムクンのちょっと化学調味料的な嫌なべたっとした甘さはなくて、すっきりとエッジが効いていた印象。土鍋で入ってきてて、袋茸が美味しかったと思います。
3.焼肉
笹塚の大樹苑の「塩ロース」をごまドレッシングで食べる食べ方。ロースを本当に表面だけ炙ってタタキのようにして食べる食べ方は感動しました。50度くらいに温められたお肉は猛烈に柔らかく繊細。つけだれのごまドレッシングもクリーミー&酸味があって繊細なのにタタキではなくて焼肉に昇華させるのに一躍買っていました。
4.バーニャカウダ
今はなき、千駄ヶ谷の名店「バスタパスタ」のバーニャカウダ。少しグレーがかったホワイトソースのような色味で、当時はどうやって作るか想像つかなかった味。クリーミーでコクがあって、さらっとしている。その後なんどもにんにく、オリーブオイル、アンチョビで作られたバーニャカウダ食べているが、当時のあの記憶の味にはまだ出会ったことがない。
ってな、感じです。
こうした記憶を自分で料理を作る時に思い出して近づけるのが、美味しい料理を作る為の近道です。ミスター味っ子でも食撃のソーマでも美味しんぼでも、よく料理対決では敵の料理を完全コピーしてから、工夫を入れていきますよね。
あれと同じで、自分の記憶史上もっとも美味しいカレーとか、もっとも美味しい煮込みとか「もっとも美味しい」をよく覚えておくと、正解がわかるので料理は上達しやすくなります。
そして、ただ漫然と美味しかった。だと再現する時に苦労するので、何入ってるのか考えながら食べたり、場合によってはスタッフに聴いてしまったりしても良いと思います。
最近いただいたサラダで、強烈な旨味を感じたので、スタッフの方に何入れてるか聴いたところ教えていただいたのが「塩昆布をフードプロセッサーで粉末にしたもの」。なるほどと思って、自分で試したら近しい味が再現できました。
ぜひ、こんど外でご飯を食べる時、料理の味を覚えるようにして食べてみてください。毎日やると料理の腕がメキメキ上がりますよ!
簡単豪華!鍋1個で作る手抜き「魚のアラ炊き」
こんにちは。COOKERSの近藤です。
最近はスーパーとかでも魚を丸ごと一匹で売ってるお店増えましたよね。上手に選べばパックのお刺身買ったりするよりずっとお得だったりするので、ぜひ利用したいところ。
「ウロコ落とし」「腹出し」はもちろん「三枚下ろし」や「お刺身」まで対応してくれるお店もあるみたいです。
で、今日の主役はそんな魚を買った時に必ず出る「魚のアラ」。鯛のお刺身用に1尾買ったけど、アラはめんどくさいからいらないという人けっこういるんじゃないですかね?
それは、超もったいない!晩御飯のおかず1品増えるだけじゃなく、ちょっと大きめのお魚であればメイン貼れるくらいのボリュームと豪華なんですよ!居酒屋でも結構いいお値段しますよね。
「でも、難しいんでしょ?めんどくさいんでしょ?」
って声が聞こえてきそうですが、結構簡単です。というわけで、今日は僕の超手抜きあら炊き(賄いレシピ)をご紹介してみます。
<材料>
魚のアラ 1尾分(カブト、カマ、背骨なんでもOKです)
酒 100cc
水 200cc
醤油 45cc(大さじ3)
みりん 45cc(大さじ3)
砂糖 好み(入れない〜大さじ1くらいまで)
しょうが 1片(薄切り)
<作り方>
1)アラをよく水で洗います。
血合いとかもがしがし洗ってください。魚屋さんによってはウロコをちゃんとカブトのところまで落としてくれてなかったりするので、その場合は包丁の背とかで落としましょう。
2)鍋にアラとしょうがを入れ、水と酒を注ぎ中火にかけます。
※この写真はたまたま野菜茹でたお湯があったので霜降りしてますがしないでも全然OKです。
3)沸いてくるとアクが出るので、アクをとります。アクを取ったら、落し蓋をして中火で5分。
4)醤油とみりんを入れて、落し蓋をしたまま、火を中弱火に下げて更に10分。
5)落し蓋をとって、汁の味見をします。
あー、もちっと甘いほうがいいなと思ったら、ここで砂糖を入れて味を調整してください。甘いの苦手だしちょうどいいわ。って思ったら、そのままで。(自分の好みの甘さを覚えたら、醤油とみりんを入れるタイミングで砂糖をいれてもOKです)
5)5分くらい、蓋をせずに煮汁を中弱火で軽く煮詰めます。煮汁がちょい濃い美味い味になったら完成です。
白髪ネギをおもいっきり上に乗せて食べると美味いですよ〜〜。他の魚の煮付けよりも、あら炊きは適当でも大丈夫。鍋に次々に材料ぶっこんでいくだけで作れるので、想像よりずっと簡単です。
魚屋さんでアラもらったら、やってみてくださいね!
1日100個も余裕!「プロのゆで卵」の作り方
こんにちは。COOKERSの近藤です。
ゆで卵って上手に作るの結構大変じゃないですか?思い通りの固さに仕上げるのも気を使いますし、綺麗に殻を剥くのも大変。ネットとか調べてみても「常温に戻す」「画鋲で穴を開ける」などなど、結構色々と手順が大変!
仕事柄、ゆで卵は50個とか100個とか作ることがしばしばあるのですが、量も量なので面倒くさい方法は無理です。そこで今回は、最低限の労力で「絶対失敗しないプロ流のゆで卵」の作り方をご紹介します。
材料/機材
- 卵
- 鍋(卵がお湯にかぶる量の水が入る鍋が好ましい)
- スプーン
作り方
1.冷蔵庫から卵を出して、卵のお尻側(丸い方)をスプーンの背で軽く割ります。
(多少コツ必要ですが、画鋲で穴開けるよりも全然効率が良いです)
<ポイント>常温には戻さない
冷蔵庫から出した卵を常温に戻すという情報もよく見かけますが、今回は冷たいままやります(常温戻しって意外と面倒くさいですよね)。なので、今回の茹で時間は冷たい状態の卵からスタートしたものですので、ご注意ください。常温からやる場合は30秒減らしてください。
2.鍋にお湯を沸かし、おたまでそーーーっと入れます。
殻を割っているので、ごろっと普通に入れると割れてしまいます。複数個入れるときはテキパキ入れていきましょう。ちんたら入れていると最初と最後の方で硬さが変わってしまうので。
(ちなみに超大量に必要なときは大鍋にタモで10個いっぺんに入れたりします)
3.火加減は中火。
卵を入れるとお湯の温度が下がるので、沸騰状態がキープする火加減を意識します。あんまり強火でガンガン沸かすと対流が激しく起こり卵が割れてしまうので注意
4.好みの固さになる茹で時間を計る。
- ラーメン屋の超トロトロ 6分
- 朝食で食べたいとろん半熟 7分
- 固まってきているけどしっとり 9分
- 卵サラダとかで使う固ゆで 13分
ここの時間が超重要です。1分変わると結構テクスチャ変わってきます。ここに記した時間の測り方は「水を沸騰させる→鍋にそーーっと卵を入れる→急いでタイマーをかける」です。(常温から茹でる場合は上記の時間 -30秒で測ってください)
5.茹で上がったら、水に取り殻を剥く
最初に殻を割ってるので、めちゃくちゃ簡単に剥けます。流水に当てながらとっても良いです。
6.綺麗に割れれば完成!
毎回この方法で超大量に茹でてますがほぼ失敗しないので、ぜひ皆さんも試してみてくださいね!
<今日のオススメ>
新しい卵ドリル おうちの卵料理が見違える!
卵といえば、松浦さんの「新しい卵ドリル」ゆで卵だけでなく、オムレツとか卵焼きとか本当にミスしないテクニックの宝庫です。(僕もこの本のノウハウけっこう使わせてもらってます)ワンランク上がる卵料理が作りたい方は、心からオススメできる1冊です
思わず食欲が刺激される「シズる」メニュー名の作り方
こんにちは。COOKERSの近藤です。
僕は料理のメニュー名を考えるのがかなり好きです。レストランで働いてる人なら実感あると思いますが、美味しそうなメニュー名とそうじゃないもので相当に売り上げが違うもの。
ケータリングでお客さんにメニューを提案するときも、美味しそうなメニュー名を提案できるかどうかで発注が変わったりするので非常に大切だったりします。
今回は、そんな思わず食欲を刺激されてしまう(=シズる)メニュー名のつけ方を考えてみました。お仕事で料理をされてない方でも、ホームパーティでおおっ!って言われるメニュー名を考えるヒントになったら幸いです。
※ちなみにシズルとは広告業界ワードでsizzleと書きます。食欲などの感性が思わず刺激されてしまうという意味で使われます。
季節感/旬を大事にする
日本は四季があり”旬”のものが美味しいという価値観が刷り込まれています。季節にかかわるワードは非常に食欲をそそります。実際旬の食材は値段も安くて美味しいですしね。例えば、
- 夏野菜のピラフ
- 秋茄子の出汁浸し
- 初鰹のカルパッチョ
みたいな旬の食材名をメニューに取り入れるのも良いです。食材まで言及しなくても「初夏の鮮魚のマリネ」みたいに季節をつけるだけでも結構美味しそうになります。
食材の出処を入れる
トレーサビリティという言葉もありますが、「どこで採れたものか」という情報は安心安全の意味でも、美味しさを伝えるの意味でも効果的です。
- 小豆島のオリーブ
- 沖縄豚のミートソース
- 明石たこのガリシア風
こうやってみると、有名なブランド食材はだいたい地名を取ってますね。土地ではなくても「浅田さんの〜」「横田ファームの〜」みたいな生産者の名前を出すメニューも、作った人が自信をもって届けている感じがして、美味しそうに感じますよね。
料理の生まれた場所を入れる
日本人に限らず、その土地に行ったらその土地の名物は食べたくなるもの。食材はその土地にゆかりがなくても、名物として認識されたものは美味しいものと思わずおもってしまう心理があるそうです。
- 仙台牛タン
- 神戸カレーパン
- 富士宮焼きそば
みたいな既にブランド名になっているものは多数あります。ただ、実はこれ名物化されてなくてもOK。
- 神楽坂カレー
- ベネチアパエリア
- 学芸大学おでん
といったように今、僕が適当にかんがえたものでも”おっ”と引っかかりが出るので面白いですよね。
オノマトペを活用する
食感や香り、味に関する擬音語や擬態語も美味しそうな印象をつけます。
- サクサクポテト
- とろーりプリン
- あつあつグラタン
みたいなものは、比較的よく見かけるのではないでしょうか?これも普段聞いてる当たり前のものよりも少し飛ばすとより美味しそう感が増えます。「サクサクポテト」よりも「ザクザクポテト」のほうが、歯ごたえが気持ち良さそうですし「サクふわポテト」にすると、ほっくり感が感じられますよね。
自分の作った料理の印象をうまく伝えられるオノマトペを考えると面白いと思います。
料理の歴史を語る
長いこと食べられてきた料理は「美味しさ」の証明でもあります。僕らは老舗の守り続けてきた味とかに弱いんですよね。料理屋さんでも「創業明治○年」とかかいてあるとおおってなりますよね。これをメニューにも応用します。
レストランで見かけたらちょっと興味惹かれませんか?こういう時代を感じながらの料理は、一味美味しく感じるのは不思議ですよね。
ストーリーを加える
最後は少し応用編。今までの例のような食材や料理の美味しさをストレートに伝えるのではなく、比喩を使ったメニュー名です。
- 絶望のスパゲッティ
- おぼれ蛸のトマト煮
- 若鶏の悪魔風
といった感じでしょうか。実は上の例は、海外の有名な料理の言い換えなのですが、わかりますか?
例えば、絶望のスパゲッティは「家に何もなくて絶望的な状況でも作れるパスタ」=ペペロンチーノですし、おぼれ蛸のトマト煮は、「丸一本の蛸足をトマトソースで煮込むところから溺れているように見える」=蛸のトマト煮ですし、悪魔風は、「丸鷄を開いた形がマントを開いた悪魔に似ていて、それを炎で焼き上げるのが処刑のようだから」=チキンソテーだそうです。
こんな風に考えて遊んでみるのも楽しそうです。例えば、
- 伊賀の兵糧おにぎり=おにぎりで海苔をぐるっと巻いたもの
- 鹿のデミグラス煮込み冬眠風=ドーム型のオーブン皿とかで煮込んだ鹿シチュー
なんて、今適当にかんがえたヤツですがちょっと面白いですよね。
ただし1点注意!
料理名に凝りすぎて「何かわけがわからないもの」は食べたいと思えないみたいです。あと、全メニューをすべて過度にやりすぎると過剰広告のように感じてしまって嘘くさくなり不味そうに感じてしまいます。何事もほどほどが大事ですね。
メニュー名、色々と楽しみながら考えてみてください!!
<今日のおすすめ>
ちなみにsizzleワードを集めた本も売ってたりします。年齢や性別別でどの言葉が美味しそうに感じるかを統計データを取ったやつです。仕事でメニュー考えないといけない場合は参考にすると良いと思います。
汎用性最強の調理器具は「バット」だと思う
こんにちは。COOKERSの近藤です。
いきなりですが、みなさん「バット」って使ってますか?
ボウルとかザルが無い家はほとんどないと思いますが、「バット」は使って無いおうちはたくさんあると思います。(うちの実家も僕が料理人になる前はバット無かったですし)
でも、僕はこの「バット」というキッチンツール、汎用性最強の調理器具だとおもっています。いろんな機材を持ち歩く出張料理でも、バットだけは絶対に忘れない様に気をつけています。今回は、そんな「バット」の便利な使い方をご紹介します。
基本編1)食材を入れる
一番ベーシックな使い方ですが、トレイから出した食材や、切った食材などを入れるのに使います。手頃なサイズのお皿で代用している人も多いと思うのですが、バットは四角なのでスペースに無駄ができません。下ごしらえで複数の食材を準備しなければならないときに特に威力を発揮します。
また、ステンレス/ホーローともに落としても割れず衛生的な素材なので、調理中の食材を入れるのに最適です。食洗機ももちろんOK。重ねて入れることができるので、収納もかなり省スペース化できます。
基本編2)液体を入れる
お皿と違い縁が高いので液状の物を入れるのも簡単。四角形なので冷蔵庫にもすぽっと入れられます。サラダを作るとき野菜に水を吸わせたりするのに、めちゃくちゃ便利。サニーレタスや水菜など長めの野菜を入れるときに重宝します。
超熱いものを入れても問題ないですし、冷凍庫で凍らせるときにも使えます。アイスクリームやゼリーなどを固める「型」としても使うことができます。また深バットであれば、氷をはってボウルを冷やしたり、湯煎のお湯を入れることも可能です。
応用編1)ボウルの代わりにする
サラダをドレッシングとあえたいとき、てんぷらの衣を作るときなど、激しく混ぜなくても良い場合はバットでボウルの代用ができます。もちろんボウルみたいに泡立てたりとかはできないんですが、軽くあえるのであればバットで十分だったりします。
応用編2)盛り皿の代わりにする
ホーローバットは見た目がかっこいいので、盛り皿にしても映えます。これはサラダを盛った写真ですが、なかなか良くないですか?サラダ以外も、煮物やデザート類なんかも結構マッチします。縁が高いので水分の多いものも入れられますし。
料理にあう皿がない!とかいう時、バットに盛り付けることを考えても良いかもです。
応用編3)オーブン皿の代わりにする
熱に強いのでオーブンでの加熱ができます。少し厚めのステンレスバットであれば、グラタンを焼いたり、スポンジケーキを焼いたりするのに便利です。サイズの違うバットを2つ組合わせれば、プリンの湯煎焼きなども簡単。ホーローバットを使って、一気に20人前のプリンとかも焼けます。
裏技1)電磁調理器で加熱する
(注意)本来の使い方ではないので自己責任でお願いします。
ステンレス製のバットは実は電磁調理器がいけます。どーーーしても鍋が足りない場合や、湯煎のお湯を保温したい場合、電磁調理器の上にバットを乗せて加熱すると、ちゃんと熱くなります。
ただし当然、裏技的な使い方なのでIH対応の鍋やフライパンと違い底も薄く加熱ムラがでやすかったり、変形してしまったりすることはあり得ます。あくまでも緊急事態や少しだけの加熱と思って使うほうが良いでしょう。
裏技2)まな板の代わりにする
これも緊急事態的な使い方ですが、裏返してラップでぐるぐるに巻いてあげれば簡易まな板として使用することができます。普段キッチンなどでまな板が足りないというのはほとんど無いと思いますが、アウトドアなどでまな板を忘れてしまった場合など、覚えておくと便利です。
出張料理の時は欠かせない「バット」ご家庭でもかなり便利なツールなので試してみてはいかがでしょうか?
<余談>野田琺瑯のバットはかっこいいですよねー。